
目次
■突き指が長引くとき、本当に「ただの突き指」?
突き指をしてからしばらく経つのに、腫れが引かない、曲げるとまだ痛む――そんな経験はありませんか?
「ただの突き指」だと思い込んでいた症状の裏に、骨折やマレット損傷、靭帯損傷が潜んでいることがあります。この記事では、突き指と紛らわしい3つの疾患の見分け方と受診の目安をお伝えします。
この記事の要点まとめ
- 突き指が長引く場合、骨折・マレット損傷・側副靭帯損傷などが隠れている可能性があります
- 指先が伸ばせない、広範囲の腫れ、関節のぐらつきは早期受診を検討する目安です
- 適切な対処をしないと関節拘縮や変形が残る可能性があるため早めの相談が大切です
■突き指が「治らない」「曲げると痛い」ときに疑われる3つの疾患

突き指の基本的な症状や応急処置については、以前の記事でご紹介しました。きちんと対処しているにもかかわらず痛みや腫れがなかなか治まらないときは、次の3つの疾患が隠れているかもしれません。
指の骨折(末節骨・中節骨骨折)──腫れが強く曲がらない場合
突き指と骨折は受傷のきっかけがよく似ているため、ご自身では見分けにくいケースが珍しくありません。骨折の場合、次のような特徴がみられることがあります。
- 腫れが指全体に広がり、数日たっても引かない
- 内出血が広い範囲に及んでいる
- 指が明らかに変形している、左右で形が違う
- 軽く触れただけでも強い痛みがある
突き指でも腫れや痛みは出ますが、骨折ではその程度がより強い傾向にあります。
当院ではレントゲンに加え、より詳しい評価が必要な場合はオープンMRIでの検査も行っておりますので、判断に迷う際はお気軽にご相談ください。
マレット損傷(槌指)──指先が伸ばせない・垂れ下がる場合
マレット損傷は、ボールが指先に当たるなどの衝撃によって、第一関節(DIP関節)を伸ばすための腱や骨が損傷する疾患です。最大の特徴は、指の第一関節を自力で伸ばせず、指先が垂れ下がったままになること。
腱が切れる「腱性マレット」と、腱の付着部の骨ごと剥がれる「骨性マレット」の2種類があり、いずれも早期の適切な固定が重要です。
そのままにしておくと指先が曲がったまま戻りにくくなる可能性があるため、指先が伸ばせないと気づいた時点で早めの受診をおすすめします。
側副靭帯損傷(そくふくじんたい そんしょう)─曲げると痛い・横方向にぐらつく場合
側副靭帯は、指の関節が横方向にずれないよう支えている靭帯です。突き指の際にこの靭帯が損傷すると、次のような症状が出ることがあります。
- 指を曲げ伸ばしすると痛みが走る
- 関節を横に押すと痛みやぐらつきを感じる
- 物をつまむ動作で力が入りにくい
「そのうち治るだろう」と見過ごされがちですが、関節の不安定感が残ると日常生活に支障が出る場合もあります。曲げると痛い状態が長引くときは、整形外科への相談を検討してみてください。
■「ただの突き指」と判断して放置するリスクと受診の目安
「動かせるから大丈夫」は誤解──見過ごすことで起こりうる影響
「指が動かせるなら骨折ではない」と考える方は少なくありませんが、これは必ずしも正確ではありません。骨折や靭帯損傷があっても、ある程度は指を動かせるケースがあるからです。
また、「突き指は引っ張れば治る」という話を耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、損傷した組織をさらに傷つけるおそれがあるため、自己判断で引っ張る行為は避けてください。
適切な対処をしないまま過ごしてしまうと、関節が硬くなる「関節拘縮」や指の変形が残る可能性も考えられます。違和感が続くようであれば、早めに整形外科を受診しましょう。
こんな症状があれば早めに整形外科へ──受診を検討したい5つのサイン
以下の症状が一つでも当てはまるなら、整形外科への受診を検討してみてください。
1. 2週間以上痛みや腫れが続いている
2. 指先が自力で伸ばせない
3. 腫れや内出血が広範囲に広がっている
4. 関節を横に押すとぐらつく感覚がある
5. 指に力が入らず物をつまめない
当院では、わかりやすい説明と丁寧な診察を心がけており、レントゲンや超音波検査、必要に応じてオープンMRIによる精密な検査を行っております。
「突き指くらいで受診していいのかな」と迷われる方もいらっしゃいますが、早めの受診が結果的に治療期間の短縮につながることがあります。
気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
■よくある質問
Q. 突き指と骨折はレントゲンで見分けがつきますか?
A. 多くの場合、レントゲン検査で骨折の有無を確認できます。ただし微細な骨折や腱の損傷はレントゲンだけでは判別しにくいことがあり、必要に応じてMRIや超音波検査を追加する場合もあります。
Q. マレット損傷は自然に元に戻りますか?
A. 適切な固定を行わないと、指先が曲がったまま戻りにくくなる可能性があります。指先を自力で伸ばせないときは、早めに整形外科を受診されることをおすすめします。
Q. 突き指をしたとき、まず何をすればよいですか?
A. まずは患部を動かさず、氷や保冷剤で冷やしながら安静にしてください。指を引っ張ったり無理に動かしたりするのは避け、痛みや腫れが強い場合は早めに医療機関を受診しましょう。
Q. 突き指の治療で手術が必要になることもありますか?
A. 多くの突き指は固定や投薬などの保存的な治療で対応可能ですが、骨性マレット損傷や靭帯の完全断裂など、損傷の程度によっては手術を検討する場合もあります。担当医とよく相談したうえで方針を決めることが大切です。
とくなが病院 整形外科
医療法人 聖医会佐用中央病院 整形外科
岡山大学病院 整形外科
医療法人 淳和会長谷川紀念病院 整形外科
美作市立 大原病院 整形外科
日本整形外科学会
日本整形外科超音波学会
【資格】
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本体育協会公認スポーツドクター
